「海を飛ぶ夢」2004年 スペイン・フランス・イタリア合作
『海を飛ぶ夢』(うみをとぶゆめ、Mar adentro)は、2004年のスペイン・フランス・イタリア合作の伝記映画。原題はスペイン語で「内なる海」の意味。25歳の時に頸椎を損傷し、以来30年近くものあいだ全身の不随と闘った実在の人物、ラモン・サンペドロの手記『地獄からの手紙』(西: Cartas desde el Infierno; 1996)をもとに、尊厳死を求めて闘う主人公を描いたドラマ。ハビエル・バルデムのメイクアップも話題になった。
【分類】
身体障害(頸髄損傷、脊髄損傷)
【感想】
海の事故で、首から下が不随となったラモン・サンペドロは、26年間をベッドの上で過ごし、その年、自ら命を絶つ決断をする。人権支援団体で働くジェネは、ラモンの死を合法にするため、弁護士のフリアの協力を仰ぐ。法廷へ出る準備を進め、ラモンの話を聞くうちに、フリアは強く彼に惹かれていった。ある日フリアは、ラモンの家で発作に倒れる。不治の病に冒されたフリアは、やがて自らも死を望み、ラモンの死を手伝う約束をする。 この作品は一生の半分をベッドの上で過ごし、自ら死を望んだ実在の人物、ラモン・サンペドロの手記をもとに描く真実のドラマ。
尊厳死という難しいテーマを扱っていて、生死のあり方について考えさせる作品。障害を持つ人は「笑顔がうまくなる」というセリフは秀逸である。この意味は、「誰かに介護されなくては生きていけない状況の場合、笑顔を振りまいて嫌われないように接しなくては、見放されてしまう」という意味が含まれている。
残された家族や友人達、介護士には最後まで看取るという思いがあると思うが、そういう気持ちがある人達こそ、当事者(作品内ではラモン)の思いを汲み取ってほしいと思う。
良ければ見てみてください。
「海を飛ぶ夢」